おはようございます。武藤でございます。
第34回日本整形外科スポーツ医学会学術集会を開会するに当たりまして、会長として一言ご挨拶申し上げます。
まずもって、この学術集会の開催のために、特段のご支援・ご協力・ご指導をいただき顧問の杉岡洋一先生、田島直也先生、山本博司先生並びに青木治人理事長をはじめ、数多くの先生方、関係団体・企業の皆様に厚く御礼を申し上げます。
愛知県の小さな町大府で生まれ育ち、中学・高校・大学の水泳部に所属して三流の水泳選手として活動したことが縁でスポーツ医学の道に入り、医師として34年目を迎えます。その同じ数だけの歴史を持つ本学術集会の会長を務めさせていただくのは、この上ない光栄であり、また誇りに思っております。
今回のメインテーマは「スポーツ外傷・障害のメカニズムと予防」と致しました。それを主軸にして現場のスポーツ医学の視点から、多様な情報交換と討論ができるように工夫しました。
水泳にちなんで「SWIM Congress」と名付け、Scientific学術的で、Warm温かで、Interesting面白く、Memorable心に残る学会を目標としています。
さて、ご承知のように現在、我が国には3つのスポーツドクター制度があります。日本整形外科学会認定スポーツ医、日本体育協会公認スポーツドクター、日本医師会認定健康スポーツ医の3つです。現時点のそれぞれのスポーツドクターの数は、日本整形外科学会4,867名、日本体育協会4,732名、日本医師会19,634名です。
この数の多さは、スポーツ医学の教育・研究・実践の活動が社会から強く求められていることを表していると考えます。
そこで本学会では、それぞれのスポーツドクター研修単位認定に配慮すると共に、日本整形外科学会スポーツ委員会、日本臨床整形外科学会スポーツ委員会との共同企画のプログラムも組み入れ、また日本医師会の健康スポーツ医担当の今村聡常任理事にもご登場いただきます。
スポーツは文化であるとしばしば語られますが、「整形外科スポーツ医学」もまた一つの文化であります。私が大学を卒業して昭和50(1975)年6月1日日曜日に大阪市身体障害者スポーツセンターで市川宣恭先生のお世話の下、「腰部スポーツ障害」をテーマに第1回整形外科スポーツ医学研究会が開かれたのを始めとして、本学会は生まれ、成長してまいりました。
文化の「化」という漢字は、人へんと「ヒ」というつくりから成り立っています。人へんは、大地に二本の脚で立っている姿で生きている人、生者を表し、「ヒ」は横たわる人、もしくは死者を表すとされています。つまり、文化は死者が残したものを生者が継承することを意味しています。
数多くの先輩達が、長年積み重ねてきた「整形外科スポーツ医学」という文化を次の世代に継承していくことが、私どもの役割であると確信しております。
そうした基本理念の下に、3年間、本学術集会の企画、準備を行って参りました。医学部の整形外科学教室という基盤組織を持たない私が、ここまで準備できましたのは、水泳とスポーツ医学を通して、手と手を結び、心と心を結び合った全国の数多くの仲間たちのおかげであります。
まもなく北京オリンピックが始まります。スポーツの最高峰の舞台であるオリンピックを前に、この学術集会を主催できることの幸運をかみしめています。
「スポーツ医学は結構面白い」「スポーツ医学は幅広く、深い」という感想や印象を、1人でも多くの参加者の方が持っていただければ真に幸いであります。
本日はご参加いただきましたことに改めて御礼申し上げると共に、この二日間、何卒宜しくご協力の程、お願い申し上げまして、会長の挨拶と致します。ありがとうございました。